港風 島波

この暑さは、夏の名残なのか?
札幌のいとこが遊びに来たので、石川町駅で待ちあわせ
母と三人で元町商店街を歩き 外人墓地の坂をのぼり
横浜気象台を見あげながら 港の見える丘公園へ。
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ローズガーデンの草花は台風一過の影響か? 
この日も熱風熱波で疲れた様子
朝、髪をセットしてきたばかりなのに、と云いながら 強風にあおられ
「もう、わやだー(滅茶苦茶だー)」と いとこは笑う。
港を見おろす 神奈川近代文学館の西巻茅子展へ ふたりを連れて行く。

共働きの両親から ほんとうに 沢山の本をもらった。
西巻茅子さんの絵本に あれも これも 知ってる、知ってる と。

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そんななか、『えのすきなねこさん』(童心社)は、
自分はもう高校生で、絵本などもう見向きもしない頃に出たおはなし。
解説には、お父様が絵描きで その姿に敬意を込めて描いたと。
絵本のなかの ねこさんは
「えなんて なんの やくにも たたないねえ。」
と云われながらも絵を描きつづける。
のどの奥、重く苦しくかたまりのようなものがこみ上げてくる。
後日、図書館で『えのすきなねこさん』を借り、
さいごの頁、満ち足りた顔のねこさんに、安堵する。

早起きをして、
図書館仕事の先輩に教えて頂いた「トンボロ
(陸繋砂州・島と陸をつなぐ砂のたかまり)」
と云う現象を見に江ノ電で出掛ける。
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江の島で昼間にトンボロが見られるのは、春から夏の時期に潮がよく引く大潮前後と 
江の島駅からお店が開くまえの“すばな通り(州鼻とは州の先っちょ”の意か?)を歩き、
東浜海岸におりると もう随分と潮が引き 砂浜が広く 波打ち際が 遠い
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ふだんは海に架かる 江の島大橋を右に見あげながら 平らかな濡れた砂を歩く。

風 ゆったり おだやかな 水ぎわ 貝殻や陶片を拾い江の島へ。
ひと気のない砂州を往復し からだいっぱいに潮風
自室にもどり 惚けたまま 制作のつづきをする。

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ふじくらみほ作品展 “星の汀に” 10月17日~29日まで
さいたま市大宮区 ギャラリー・カフェ彩喜にて。

 
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