旬を頂く

学校仕事の帰り、鎌倉の市場で新蕗を見つけ思わず買い求める。
先日、元居候先かあちゃんちで夕食をご馳走になり、
新蕗の炊いたのと、竹の子ご飯。
どちらも初物で、その溌剌とした香りに感激したのを思い出し、
初めての蕗料理に挑戦。
かあちゃんが電話で教えてくれた通りに、
塩で板ずりし、下茹でして水に放ち、皮をむく。
出汁を取り、薄く味をつけて蕗をサッと煮る。
あとはそのまま煮汁に浸しておいて味を馴染ませる。
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カフェのキッチンで働いているYちゃんにも訊いてみる。
Yちゃんは以前、鎌倉の日本料理店で板前をしていたこともあり、
とても丁寧に素材と向き合い、濃やかな仕事をする。
茎の細いところは伽羅蕗にすると好いとのこと。
「強火でサッと炒りつけてください」と。
葉っぱも下茹でして細かく刻み、鷹の爪や胡麻、出汁を取ったあとの鰹節を足して佃煮にしてみる。
近くの八百屋さんで「地物かまくら」と書かれた蕪を求め、前の晩から糠床にもぐらせる。
葉っぱはサッと茹で、出汁を取ったあとの昆布と蕪と一緒に、お澄ましの椀種にする。
茎は刻んで柚子こしょうと和える。

Yちゃんから貰った魚沼産コシヒカリを鍋で炊くも、ぼんやりして最後の強火が長すぎた所為か、いつもよりこんがりのおこげがたくさん出来てしまった。
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食後に、かあちゃんから貰った自家製梅酒の梅(三年もの)と、
年少の友人、幸ちゃんから貰った焼菓子を紅茶でいただく。
幸ちゃんには「大事に少しずついただきます」なんて云っておきながら、もうこれでお仕舞い。

人様からのいただきものでいのちを、口福をつないでいる。

小沼寛さんのうつわに梅を置き、紅茶を注ぐ。

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nn

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