Atelier Kika

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鎌倉駅東口、大塔宮行きバスに乗り、終点の鎌倉宮に降り立つと、大きな鳥居の杜がそこにあります。
九月終わりの熱い日射しがひたいを射し、冷たい風が木々の葉を揺らし、鳥居を背に左がわ、古いアパートメントの1階、道路に面した一角にギャラリー&カフェ“atelier Kika+cafe grass”が並べるテーブルのアンティーク・クロスがはためいています。
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ミントグリーンの扉は開け放たれ、草木の薫りを含んだ風が心地好く通り抜けていきます。
地元鎌倉や湘南在住作家の作品を展示している店内では、九月下旬から「灯り展」の作品が、やわらかなひかりをまとい、あちらこちらに置かれています。
「秋の夜長を、すてきな灯りで楽しんでいただければ…」と、オーナーのレイナル麻里子さんは云います。
梶夫妻は雲丹や鴕鳥のたまごや珊瑚、きれいなワインボトルに灯りをともし、
キクタヒロコさんデザインのキャンドルスタンドは、都内で図書館司書をしている友人が「おはなし会」で使いたいと購入。
tomohagさんのちいさな家に灯りがともるシリーズは、釣りの浮子用電池を差し込むと灯りがつくと云う、目から鱗の作品が並びます。
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私はLEDと単3電池でアクリルキューブやちいさなガラス壜がひかる、手のひらサイズの灯りを並べました。
この九月で15年目に入ると云うAtelier Kikaには、ガラス、陶器、アクセサリー、木のトレイやスプーン、帽子、ぬいぐるみ等々、宝探しをするように、気がつくと、いつもお店の奥へ奥へと進んでしまいます。
何気なくちいさな抽斗を開けると、ネックレスや髪飾りにまじり、銀細工で縁取られた古そうな“何か”が淡いひかりでかたちを滲ませ、そこにありました。
カウンターの向こうから麻里子さんの視線を感じ振り返ると、何も云わずに微笑むだけ、顔を抽斗のほうへ戻すと、そこにあのひかりも物体もなく、ネックレスや髪飾りがイタリック体の綴り文字のように先程と同じままありました。

「灯り展」は十月二日で終了しました。
http://www.silverspace.net/ak.html
nn

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