伊豆へ その1

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海中で泳ぐ魚の群れを見ている自分なんて
ほんのその時まで思ってもみなかった。
スケッチしたいナーの気持ちを抱えて、
伊豆へ行く友人にくっついて行っただけ。
「水着2枚持って来たから着てみる?」
なんて云われてその気になって・・・
ヒャー何10年振りだわ海に入るなんて
火傷しそうな位熱く焼けた石の上をなんとか歩き、
おそるおそる海水へ足を入れた瞬間、アーッ夏 !! と思った。
海水浴、それは若い人達の楽しむものと思い込んでい
たのよ。ただ海に入るだけの事なのにネ、なーんて簡単
そうに云うけれど実は泳げませんの私。
なのに水中メガネにシュノーケル、フフフ いい具合に
ウキに通したロープが少し沖のほうまで伸びているのでそれに
掴まりながら足の届かない所まで行けますの。
あまりカッコよくないけれど、海の中は十分見えます。
群れを成す青い魚たち。黄色に縞、大きいのもスイスイ
私の足元を当たり前のように泳いで行くんです。

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夢じゃないよネーと顔を上げれば眩しく光る水面と碧い
空が広がる。疲れたら貝殻やガラスのかけらを拾って遊
ぶ、遊ぶ、無心に遊ぶ友人達の顔もきらめいている。
この夏しっかり捕まえたなーと思った。
友人に、海に、暑い夏にありがとう。
nn

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