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今年最初の猛暑日、友人の誘いで平塚は三嶋神社のお祭りへ行く。
総勢5人で押しかけ、心尽くしのお料理を頂き、
明るいうちからお酒を飲み始めていると、微かにきこえるお囃子の音に、
気持ち全部を持っていかれてしまった。
皆で子どもの頃のお祭り話しで盛り上がり、さあ、御輿を見るかと出掛けた。
玄関や窓と云う窓、全てを開け放った家々、
その前に床几を置いて夕涼みしている親爺さん、魚屋さんの店先には
梅が干してあったり、土建屋さんの土間に纏(まとい)があったり、
庭先のちいさな紅い鳥居や風鈴の音、懐かしいタバコ屋さんの佇まいに、
何だか親戚の家に遊びに行った子どもの頃の夏休みに帰っていた。
漁港前で休憩中の御輿に触れてみる。何か見えない力に触れたようで、
それは静かでヒヤリとした強い波動を放った。
お囃子や打ち上げ花火の音がきこえると、家を飛び出していたあの頃、
夏は本当に特別な季節だった。
御輿についていき、知らない町まで来てしまったことや、
町内の子ども山車を牽きながら汗をかきかき高揚した気分を思い出す。

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北海道では8月7日の七夕に、ハロウィンに似たお祭りがある。
子ども達が仮装して“ローソク出ぁせぇー だぁせえよー 
出さないとかっちゃくぞー おーまーけーにひっかくぞぉ”
と囃しながら練り歩き、家々を廻りながら玄関先で
お菓子やロウソクを貰う行事があった。
シーツをかぶってオバケの格好をした子もいた。
夜も親戚の家周辺を襲撃したと思う。いとこや妹と手を繋ぎ、
夜道にドキドキしながら、夜闇の怖さと夜歩きの嬉しさを隠すように
大きな声で“ローソクだーせー だーせぇよー”と歩いた。
nn

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