ALL鎌倉映画祭

 台風一過の熱風に包まれていた若宮大路も夕暮れまえの空を見上げれば、落ち着きをとりもどした空気、
傾きはじめた陽が大きな雲にあたり光っている。
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学校仕事から帰ったあと、前売り券をポケットに駅前の生涯学習センターへ。
「ALL鎌倉映画祭2014」は3・11に関する映画を観る会で、この日7月11日、その後8月11日、9月11日
と東日本大震災、福島原発事故の月命日に上映が続く。
初日のこの日は、日本在住アメリカ人イアン・トーマス・アッシュのドキュメンタリー映画『A2-B-C』。
福島原発事故後の福島県伊達市に住む子どもたちとその保護者を中心に取材した映像。黙祷をし、
映画がはじまる。
マスクをつけて園庭を走りまわる保育園児たち、保育士は給食に使う食材や水の線量をチェックし
、母親たちは公立小中学校や教育委員会、県や大学病院の対応に疑問を投げかける。
家や学校の敷地内は除染するけれど、そこから一歩出ると除染もされず、
高い放射線量のままでいる場所と隣り合わせで生活を続けている現実。
事故後、鼻血が止まらず発熱した男児のお母さんは病院で、「風邪ですね」と告げられたあと
血液検査をされたことに、不自然な感じを受ける。「風邪で血液検査をしたのははじめて」と。
映画終了後、監督のイアンさんが「みなさんとトークしたい」と壇上からおりて、
観客の質問に日本語で丁寧に答えてくれる。
客席の方からのおはなしで、「金曜の官邸前デモで福島からきた方が現状をはなしてくださった。
“福島はいま復興バブルで、県内で反原発と云うと村八分にされてしまう”と」
イアンさんは、この原発事故が起きたのも被害が拡大したのも結局は“お金”と云う。
金儲けのために原発が作られ、事故後はいろいろな情報が隠蔽され、「大丈夫です、安心してください」と
県や東電、政府は云うが、福島県に人が居なくなったら県の税収がなくなるからだろう。
除染をしても汚染土はうずたかく、裏の空き地に放置されるだけだろう。
福島の子どもたちのなかで、甲状腺に嚢胞やしこりが出来ている子が増えているという現実に、
言葉をなくしてしまう。
それでも原子力発電は必要なのだろうか fujieigasai.jpg
ALL鎌倉映画祭
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