秋の夜長のお十夜

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だらだらとつづく街灯もまばらな、夜の水道路を海の方へと歩きます。
見知った顔、さっき初めて逢った人とり混ぜて、たわいもないことを
喋りながら。
材木座海岸の近くにある光明寺の“お十夜”は、正式には十日十夜と云い、
昼夜十日間、法要につとめることをさすのだそうです。
その“お十夜”でお経をあげると、極楽の世界で千年修行をするのと同じ
功徳を得ると云われているのだそうですが、そんなこととは誰も知らず
門前に並ぶ屋台めあてに、「お十夜行こう、夜店行こう、
早くしないと終わっちゃうよ」と出掛けました。
材木座商店街を過ぎ、海の手間で左に曲がると、小さく植木市、
向かいは古着屋、大判焼きの屋台には人の列が並び、総門、山門、
大殿まで夜店がつづき、白熱灯の明るさにワクワクしてきます。
秋のサラッとした夜風に吹かれながらぶらつくのは何とも心地良く、
花火大会や初詣とは違った、地元の人達だけのお祭りが粛々と
執り行われているような、内輪だけのほのぼのとした秋の集いが
くりひろげられているような、日常のハレの日がそこにはありました。
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境内の真ん中に太い木の柱が建ててあり、そこから白い布製の
“善の綱”なるものが二本下がり、時折その綱に触れる人、
手を合わせる人、お賽銭をあげる人などが行き過ぎます。
もう一本は柱の上の方から長く長く伸び大殿へと繋がっています。
宗教的なオブジェ(物体)を見るのは久しぶりで、何だか不思議な心持ち、
特別な日を強調させます。

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大判焼きのミックス(あんことチーズ)をかじりながら…
お面をかぶって騒ぐ子ども達にちょっかいを出しながら…
友人ととりとめもなく、たわいもない事を喋りながら…
ソースの香る風を嗅ぎながら・・・
nn

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