浅酌浅月

 暑気払いでも、と司書仲間のTさんと鎌倉駅前で待ち合わせ。
小町通り裏の「あさ月」で、お刺身や穴子天、ビールや日本酒を頂く。
「きょうはぼんぼり祭らしいね」とTさん、小一時間ほどでお酒を切りあげると、
そとはまだ宵の口、ブルーグレイの空にシトロン形のお月さんが雲を纏ってすぐ其処にいる。
途中、歩きながら通り過ぎた焼鳥屋やカレー屋にはいつもの行列がない。
境内に設えられたぼんぼりに、まだ灯ははいっていない。
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もう少し暗くなって灯りがともるまで待ちましょうと、来た道を引き返すと、Tさん「カレーが食いたい」
とご所望。ならば、盛りが良くって美味しいと評判の「キャラウェイ」へ。

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さっきまで誰も居なかった店先には十人ほどの列、待っているあいだにも続々とひとが並ぶ。
入口そばには“ご飯の量が多くて苦情があるため、小ライス(-30円)もあります”と。
二十分待ち案内された店内は昔なつかしな喫茶室の趣、おすすめはビーフカレーとチーズカレーのようですがTさんはポーク、自分はチキンを、もちろん普通盛りで注文。
ほどなく運ばれたトレーには丸いお皿にこんもりとライス、頂きには干し葡萄、サラダが付いて薬味は4種類!
はやる気持ちを押さえきれず、二口三口食べてから「あ、写真!」と気がつく。
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この日もカレールーで穴を隠し撮影。
Tさん途中でギブアップ、自分はTさんのサラダも頂戴してごはん足りない気味で完食。
ふだん行列のお店は眺めるだけですが、待った甲斐あり、食は道連れ。
腹ごなしに「ぼんぼり祭」へ。
段葛、参道、流鏑馬の馬場などに鎌倉在住の著名人が描いた書や絵柄のぼんぼりに灯がゆれて、
浴衣姿の女性もちらほらと風情ある眺め。
舞殿では奉納の音楽が雅楽器とシンセサイザーで奏でられていた。
大石段をのぼり「近くまで来たので」と上宮に手を合わせご挨拶。
振り返ると月は雲間幕間、淡い鬱金色の灯が海へとつづいていた。
nn

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