春の食卓

春の食卓

暖かい日がつづき、春眠にひたるよりもソワソワと虫が騒ぎ、
あかつき、
空が白む頃にはもう目が醒めてしまう。
布団から出るのももったいない気がして、友だちから借りた
『亜米利加ニモ負ケズ』(アーサー・ビナード著/新潮文庫)を布団のなかで読む。
しかし、春はやたらとお腹が空いて、もったいないけど、布団から這い出て朝食にする。
市場(鎌倉市農協連即売所)で買った馬鈴薯、玉葱にスイートコーンと酒粕をいれたスープを作る。
アルバイト先の小学校の児童が育てた、大根の葉っぱを青味にする。

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昼前、お遣いに出ると、立ち寄ったマーケットで真鯛のアラを見つける。
近くの八百屋で牛蒡を求め、一緒に煮ることにする。
市場には菜の花が出ていたので、これは芥子和えにしよう。fuji3c.jpg

汗がにじむほどの陽気のなか自室にもどり、
魚を仕舞い、菜の花を水に放ち、革ジャンを脱いで海へ向かう。

霞がかかった景色は乳白色のベールの向こう。江ノ島も見えない。
人影まばらな材木座海岸を貝殻拾い、波に足をひたす若いカップルや男の子たち。
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またしても空腹に襲われ、いそいそと帰宅する。

魚を煮、菜を茹で、汁を作り、糠床をかき回す。
子どもたちが作った大根は、糠漬けにも味噌汁の具にもなり、美味しくいただく。
美瑛の叔父が家庭菜園で育てた黒豆の、豆ご飯も一緒にいただく。

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いただきます
ごちそうさま

春の空腹は口福で楽し。
nn

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