夏味

この7月も 二階堂のAtelier Kikaで
ガラス作家アキノヨーコさんとの作品展をさせていただいた。

Patisserie Rの玲子さんが作る、会期中特製のお菓子は
イタリアの“カッサータ”、アキノさんのうつわにメレンゲの白鳥が。

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玲子さん曰く、「白鳥はふじちゃん(わたくし)のイメージ」だそうで、???が頭上湖面にぷかぷか浮かぶ。

すでに汗だくの朝、
電話に出ると、お祭りの笛太鼓が大音量で鳴り、「いま 北鎌」と東京の友人から。
北鎌倉の御菓子司こまき の水羊羮を手土産に作品展に来てくれた。

『作家のおやつ』(コロナ・ブックス編集部/平凡社)のなかに

この店の菓子“苔清水”のすがたが美しく、あこがれていた。
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川端康成は「こまき」の水羊羮をことのほか好んだと云う。
瑞々しくきりりと角の立った薄墨色は、涼やかな風をまとい
舌のうえでとけていく。
さらりとした甘味がのどを通り腑に落ちる。

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この夏初、市場で求めた水茄子を糠漬けに。
糠床から出したての鮮やかな茄子紺は、あっと云う間にその彩度を失ってしまう。急げ。
かじるとパリッと皮が弾けて甘みが広がる。
練り芥子をつけて噛みしめる。

Atelier Kikaの麻里子さんはお料理のセンスも絶妙で、
食いしん坊のわたくしの顔を見ると、「これ、食べる?」と いろいろ ちょこちょこ出してくれる。
トマトとルビーグレープフルーツのサラダ、ひじきとアボカドのサラダ、いただきもののチョコパン、
(お弁当のおかずにと)ひじきの煮物、幼なじみの神主さんが持ってきたお供え餅(夏祭り用?)、“クルミッ子”の切り落とし、スイカ、冬瓜、ベルグフェルドのパン…

去年の搬入時、おにぎりを頬張っていると、セロリの味噌汁を出してくれて、初めての味。
今では自分でも作る定番の具になった。

鰹のサクを厚く切り分け、半分はお刺身で晩酌のお伴に、もう半分は
頂いた冬瓜と玉葱人参セロリなどと一緒にスープ煮にして。
「はい」と手渡された、かぼちゃサラダと朝食にいただく。
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夏生まれの所為か、花火やお祭り、夏に美味しい夏にしか食べられないものが特に好きだ。

頂いたアレコレで気合いを入れ、猛暑の日盛り、由比ヶ浜から二階堂まで歩いて通った。
nn

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